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トラ!おさかな!くじら!『ライフ・オブ・パイ』感想

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作品紹介(映画.comより) カナダ人作家のヤン・マーテルが2001年に発表し、ブッカー賞を受賞した世界的ベストセラー小説「パイの物語」を、「ブロークバック・マウンテン」「ラスト、コーション」のアン・リー監督が映画化。乗っていた貨物船が遭難し、一匹のトラとともに救命ボートで漂流することになった少年パイのたどる運命を描く。1960年インド・ポンディシェリに生まれた少年パイは、父親が経営する動物園でさまざまな動物たちと触れ合いながら育つ。パイが16歳になった年、両親はカナダへの移住を決め、一家は動物たちを貨物船に乗せてインドをたつが、洋上で嵐に遭遇し貨物船が沈没。必死で救命ボートにしがみついたパイはひとり一命を取りとめるが、そこには体重200キロを超すベンガルトラがいた。第85回アカデミー賞で全11部門にノミネートされ、アン・リーが自身2度目となる監督賞受賞を果たした。

公開してからだいぶ経ってるし今更かなーとも思ったんですが、映画館で観たほうがいいよーとの意見もチラホラあったので地元の劇場で公開終了してしまう前に行ってきました。ちなみにIMAX3Dでした。



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IMAX綺麗だけど高すぎるんだよ!2200円てあほかー!(画像は主人公のパイ君)



ストーリーはともかくとして、映像すごかったー!まず、なんと言ってもトラの描写がすごい!トラは副題からもわかるとおり今作の主役と言ってもいい扱いで、ほとんど出ずっぱりなんですけど、観終わるまでCGだってことを完全に忘れちゃうくらい、どこからどう見ても本物のトラにしか見えないんですよ…



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これがほんとにCGなの…



シマウマやハイエナなんかのその他の動物たちにしても超リアルでしかも生き生きと動いていて、観てるだけでたのしかったですよ。トビウオの大群が降り注ぐシーンとかクジラがザバーンのシーンなんかも一大スペクタクルでした(´∀`*)



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トビウオ流星群だー!


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なぜかトロン風のクジラ。うひょー!かっけー!



海の描写もすごくて、波すらなく静まりかえってまるで鏡面のようになる神秘的な海から、神の与えたもうた試練としか思えないような荒れ狂う海まで、どうやって撮ったの…って絵ばかりで、しかもそのすべてがいちいちガキーンと絵画的な美しさだもんだから圧倒されちゃってずっと口開いてましたよ(*´д`*)



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美しい…



※ここからは勘のいい人にはネタバレになるかも



ストーリーについてはなんの前知識もなかったので、最初は「トラと漂流とか変わったサバイバルものだなー」と思いながら観てまして。途中ミーアキャットのいる島のあたりで「ん…?これは…」と若干の違和感をおぼえたものの、気付きには至らず、最終的にどういう話だったかが明らかになるところでは「えっえっ!ちょっと待って!ちょっと待って!」とめちゃくちゃ動揺してしまいましたよ…。



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どこか不気味なミーアキャットたち



解釈は偉い人に任せますが、わたしが一番印象に残っているのは「事実に意味はない」というパイの言葉なんですね。起きたことは起きたことでありそれ以上でも以下でもない。どんなに辛く悲しいことだったとしてもそれ自体に意味を見出すことはできないんです。しかし時にそれは物語として変換され語られることで、事実よりも輝いて事実をも上書きしてしまうことができる。そしてそれによってのみ救われることもあるんだよということを、この物語は教えてくれているのかなーと思います。いや、わかんないですけど…



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ちなみに海のシーンはこんな風に撮ってたみたいです



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唯一みたことあったアン・リー監督作。会話の中で引き合いに出すことも多いし結構好きなんじゃないでしょうか。


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宇多丸師匠も言ってましたが、連想したのはこの映画でした。おすすめ!