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はい、ねてました。|映画感想ブログ

ねてたのけっこう映画みる生活

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すべての大人に観てほしい『隣る人』感想

映画感想

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作品紹介(映画.comより) 「子どもたちと暮らす」ことを実践している児童養護施設「光の子どもの家」の日常に8年間にわたり密着したドキュメンタリー。埼玉県にある児童養護施設「光の子どもの家」は、可能な限り普通の建物で普通の暮らしを子どもたちに提供し、さまざまな事情で親と一緒に暮らせない子どもたちが、親代わりの保育士と生活している。親から愛情を受けることなく施設で暮らす生意気盛りのムツミと甘えん坊のマリナは、保育士のマリコさんを取り合ってケンカすることもしばしば。そんなある日、ムツミの母親が再び子どもと暮らそうという思いを胸に施設を訪れてくる。

今週は『リンカーン』のことを書こうと思ってたんですけど、日曜日に観たこの『隣る人』のことが頭から離れないんですよね。公開から1年ほど経ってるので今更って感じかも知れないですけど、この先もソフト化されないこの映画をできるだけ多くの皆さんに知ってもらって、どうにか観れる機会を探して観て欲しいので微力ながら紹介しておこうと思います。先に言っておきますけどこれ以上ないほどおすすめですよ!国は全大人に観る義務を課したほうがいいです。




映画『隣る人』予告編 - YouTube



この映画は基本的にむっちゃん(ムツミ)とマリナの2人と担当保育士のマリコさんのエピソードの積み重ねでできています。そのエピソードというのが一緒に寝たり、絵本を読んであげたり、おんぶしてあげたり、豆腐の切り方を教えたりという、たわいのない日常の断片なんですね。でも、この日常が、この一緒に暮らしているということそれ自体が、どれだけ大切であるかということに映画を観てるうちに気づかされます。いつもそばにいて愛してくれる誰かがいるから子どもは育つことができる。



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学校に行く子どもを見送るという日常



特に印象に残っているシーンが3つあります。1つめは、マイカという子が担当保育士のマキノさんの配置換えにより、離れ離れにされてしまうシーン。マイカはこの世の終わりかと思える程の悲痛な表情と泣き声で、こちらも観ていて辛かったんですが、この時それを見ているむっちゃんもカメラにおさめてるんですよね。何も言わずにそこにいるんですけど、じぶんがマリコさんと離れることを考えてどうしようもなく不安になってるに違いないんですね。その後のむっちゃんがノートに何度も「大好き」と繰り返し書くところや、「ママ(マリコさん)が死んじゃったらね…百日もね、一年もね、十年もね、百年もね、ずっと泣きっぱなしなんだから」と言うところと合わせると、むっちゃんの中でマリコさんがどれだけ大きな存在なのかわかります。逆にまたマイカにとってのマキノさんも…と考えると。・(ノД`)・。



2つめはむっちゃんとマリナがマリコさんを取り合うようにして抱きついて離れないというシーン。必至にしがみついてる2人のかわいらしさもさることながら、マリコさんの困りながらもしょうがないなぁ…って表情がとても優しく、とても温かく、心からこの子たちを愛しているんだなぁと感じられるすばらしい場面でした。



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すごくかわいらしい名シーン



3つめはむっちゃんの誕生日、マリコさんの言葉「ずっと一緒にいようね」に対するむっちゃんの嬉しそうなんだけど悲しそうでもあるなんともいえない表情を捉えたシーンです。この場面のすぐ前にむっちゃんと実のお母さんとの離別があるので、マリコさんの言葉にはじぶんがずっとむっちゃんの隣る人であり続けようという決意を感じますし、むっちゃんの表情にはある種の諦観が混じっているような気がして、すごく印象的でした。



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むっちゃん…



他にもコウキくんっていうわんぱく盛りで強がってる子が夜になると担当保育士のタカコさんに抱っこをねだるところや、マリコさんがお休みの日、マリナがマリコさんの布団にもぐり込んで「一番いい匂い…」っていうところとかたまらなくかわいくて忘れられないシーンがいっぱいで、ぜーんぶ書きたいくらいです。



また、エンドクレジットでマリコさんが朝ごはんの準備をしてるトントントンってあの音と、「おはよう!」の声には自分の母のことを思いだして涙腺がゆるみっぱなしだったんですが、うちの母は父が不在であることが多かったなか、わたしの隣る人であり続けてくれたんだよなーと今更ながら感謝しきりでしたよ(´;ω;`)



自分にはまだ子どもがいないので、子育てはそんな生易しいもんじゃないんだよ!とお叱りを受けるかも知れませんが、もし子どもができたらマリコさんの「(両手を広げて)これぐらい憎たらしいことがあっても、(指で“ちょっと”のジェスチャー)これだけすごくかわいい〜とかね、ありがとう〜っていうようなことがあると、それでなんとなく、こん畜生みたいなことがこれぐらいあったとしても、それが、スポーンってぬけちゃう」という言葉を忘れずに、その子にとっての隣る人であり続けようと思います。



今回幸運にもトークショーで刀川監督、「光の子どもの家」理事長の菅原さん、企画の稲塚さんのお話を聞くことができまして、その中でみんなが気になっていた映画内にでてきた子どもたちのその後についても菅原さんにお話いただきましたので簡単に書いておきますね。むっちゃん、マリナ、マイカ、コウキについてはみんな元気に育っていて、それぞれ学校や部活に精をだしているとのこと。マイカの担当を離れたマキノさんはあれからも休みを合わせてマイカと遊びに行ったり交流しているとのことでよかったです。+゚・(ノωヽ)・゚+。 マリコさんは反抗期のむっちゃんに苦労しながら今も奮闘中とのことでした。むっちゃんの反抗期って凄そうだよね…(ノ∀`)