ホラー映画の新たな傑作!『イット・フォローズ』感想
作品紹介(映画.comより) 捕まった者に死が訪れる謎の存在=「それ」に付け狙われた女性の恐怖を描いたホラー。低予算ながら斬新なアイデアでクエンティン・タランティーノから称賛され、全米で話題を呼んだ。ある男と一夜を共にした19歳の女子大生ジェイ。しかしその男が豹変し、ジェイは椅子に縛り付けられてしまう。男はジェイに「それ」をうつしたこと、そして「それ」に捕まったら必ず死ぬことを彼女に告げる。「それ」は人にうつすことができるが、うつした相手が死んだら自分に戻ってくるという。ジェイは刻一刻と迫ってくる「それ」から逃げ延びようとするが……。本作が長編2作目となる新鋭デビッド・ロバート・ミッチェルが監督・脚本を手がけ、「ザ・ゲスト」のマイカ・モンローが主演を務めた。
観たのはだいぶ前なんですが、今年のベスト候補として、書いておこうかと。結論から言っちゃうと、ホラー映画の新たな傑作だと思います。
最初の犠牲者。この後たいへんかわいそうなことになります・゚・(ノД`)・゚・
この映画のいいなぁと思うところは、呪い的なものから逃れるために他の人に感染させるという設定がかなり『リング』っぽいというのもありますが、Jホラーに近い怖さがあるところです。Jホラーに特徴的な怖さって何かというと、モンスターや殺人鬼が出てきてバァーン!っていうのじゃなくて、まだ見た目には何も起こってないけども、もうすぐ何か起きるんじゃないか?もしくは、すでに何かが起こってしまったんじゃないか?っていう予感の怖さですよね。
今作の「それ」はものすごくゆっくりゆっくり歩いて近づいて来るんで、急にバーン!と出てくることはないけれども、画面の奥の方から真っ直ぐこちらに歩いてくる人影が「それ」じゃないのか?閉じたドアの向こうにいるのは友達じゃなくて「それ」じゃないのか?もし眠ってしまって、次に目を開けたら目の前に「それ」がいるんじゃないか?という予感で、観てるとどんどん不安になってくるような怖さなんですね。
常にゆっくり近づいてきて、いつ追いつかれるかわからないっていう設定のおかげで、観ている間はずっと予感の怖さが持続するようになっていますし、「それ」自体は人の姿をしていて見た目は怖くないのに、得体が知れなくてめちゃくちゃ怖いというのも、すごくナイスなアイデアだよなぁと思います。
画面上は何も起こっていませんが、映画は何か不穏な空気に支配されています。
あとは童貞青春映画としても超いいですよね。「それ」がセックスで感染すると知ってからの童貞ポールの心の動きを想像すると泣ける…(ノω;`)
小さい頃から仲良しの幼なじみたち。ポールはずっとジェイのことを想い、童貞をつらぬいている…
とまあ、ほとんど絶賛に近い気持ちですし、今年のベスト候補に変わりはないですが、ひとつだけ好きじゃない部分について言わせてもらうと、中盤「それ」が穴から急に出てきてシャー!みたいなシーンがあるんですが、その勢いがそれまでの抑制の効いた演出とはかけ離れていて、正直笑っちゃったんですよね。あそこだけはほんと無いほうがいいと思うな。なんか一気にギャグっぽくなっちゃうというか。自分は『女優霊』とか『パラノーマル・アクティビティ』(一応ネタバレ反転)でも同じようなとこで笑っちゃうんですよね。うーん。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2016/07/06
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- アーティスト: Original Soundtrack
- 出版社/メーカー: Milan Records
- 発売日: 2015/03/23
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2016/04/02
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る